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母・麗子が足を悪くして歩けないという・・・。
生きる希望を失ったわ・・・とかぬかすので、実家のそばに急遽お引越ししました。 渋谷区に引越して来たのが辰年の2月。巳年の年賀状は出しそびれました。 ナンバー7 2002年<午> K太郎12歳(小6)、moe10歳(小4) 書を読んでも、話や歴史で聞いたところでも、真実の恋というものは、 決して都合よく行ったことはないらしい。 ウィリアム・シェークスピア(「真夏の夜」より) T家の娘・moe10歳の誕生日のことである。三人の少年が顔をのぞかせた。正式な招待状をもたないこの来客達は、息子であるK太郎の友人にほかならない。父に似て完璧な自己中心型のK太郎と日頃から友人関係を維持するだけでも至難の技である。ましてやその妹の誕生日にまでわざわざ足を運ぶ気の使いように、母・kanaは山の手の子供達が醸し出す毛並みの良さに感じ入っていた。「まぁいいわ」用意されたケーキに予定よりはるかに薄くナイフを入れながらも、一帖ほどの狭い台所で自然と鼻歌が口をつく。ダイニングではあどけなさを全身に残している少女たちにまぎれ、ふた周りも大きな少年たちがテーブルを囲んでいた。中にはすでに1オクターブ低い声を発する者もいる。微笑ましい時間がT家の食卓を包んでいた。 が、不釣合いに野太い一声がこの和やか空間の均衡を打ち破った。「これ、moeちゃんに!」一人の少年が咄嗟に差し出した予想外のプレゼントに、居合わせたもの全員目を丸くした。と同時に他の二人の少年も「抜け駆けされてなるものか」とばかりに姫への貢物を差し出した。 一瞬の静寂、母は少年たちの音にならない全ての声を聞いた。『やっぱり用意してたんだ。。。』 『あいつの中身は何だ?』 『クソッ、ここに座るまで日頃どれだけ我慢してると思ってんだ。お前になんか負けてたまるか!』そんな少年達の一途な葛藤を知ってか知らずか、無垢なる姫は騎士一人一人に心からの笑顔を振りまいた。 中世の物語には欠かせないもう一つの役回りに“道化”がある。誕生会を終えた夕暮れ、K太郎がそっと母にささやいた。「あのさ、あいつらなんでプレゼントなんか持ってきたんだろう?」 山のようになった洗物を片付けながら、母がついた小さなため息を彼は知る由もなかった。 「彼らの恋物語はまだ第一幕・第一場を終えたところ。“悲しみの王”である父親の出番は当分先のこととなりますようで・・・」
by kana3160
| 2007-01-14 23:59
| 新春小説
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